101年経って彼と出会った話
一昨日の夜。
おふとんに入って毛布にくるまって、
眠りにつくのって日常の中で一番死に近づく行為だなぁと考えていた。うとうとしながら。
半分寝ぼけながら"Death or Sleep"ってググった。
同じ思考している人いないかなぁと思って。
そしたら1枚の絵画が出てきた。
『Sleep and his Half - brother Death』
描いたのはイギリスの画家、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス。
彼が25歳の時に描かれた作品で、王立芸術院の展覧会に初出展し、高い評価を得た。そのため、1917年に68歳で亡くなるまで毎年同会に出展することになったらしい。
彼がこの絵を描いたのは、2人の弟を結核で亡くした後だそうだ。
作品の詳細は引用する。
この作品の題材は、ギリシャ神話の眠りの神ヒュプノスと死の神タナトスの兄弟である。2人は似たような姿勢で横たわっているが、手前の人物には光が当たり、奥の人物は暗い中にいる。このため、手前の人物が「眠り」、奥の人物が「死」を表すと考えられる。「眠り」は手にケシの花を持っているが、これは昏睡状態や夢うつつの状態を象徴するものである。
眠りと死が兄弟とは知らなかったな。
似通った存在だという考えが昔からあったのなら、自分が感じたことはもうかなり前から、何人もの人が信じてきたことなのかもしれない。
ちなみにこの兄弟のお母さんはニュクスといって夜の女神だそう。
ニュクスが館から飛び立つとヒュプノスもついてまわり、人々には夜が訪れ眠りにつく。
タナトスが非情な性格なのに対して、ヒュプノスは穏やかな性格なんだってさ。
人の死もヒュプノスが与える最後の眠りと言われている。
死は絶対的存在かとおもっていたけど、眠りにつくという代替的表現が出来るのなら、必ずしもそうではないのかな。と思ったけど。
突然命を奪うタナトス、優しく眠らせるヒュプノス。迎えに来てもらうなら後者がいいに決まってる。。
ウォーターハウスの絵に戻ってみると確かによく見れば奥の彼は目を開けたまま生気のない顔をしている。
右手前にある机の上に置かれているのは楽器かな?2つあるのを見るに一緒に演奏していたのかな。
一瞬、2人仲良く並んで微睡んで見えるような風景の中で1人は死を迎えている。
とはいえ、手前の彼も眠りについており、生を全うしているような姿ではない。
彼は眠りから目を覚ましたのだろうか。そして隣にいる兄弟の死を知ったのだろうか。
その可能性を持ち合わせているだけでも、やっぱり死と眠りは似て非なるものなのがよくよくわかる。
ウォーターハウスはこのようにギリシャ神話に出てくる神さまの他に、童話や戯曲をモチーフにした作品も多く描いていて、気になる作品が他にもたくさんあった。
いつかは実際にみにいきたいと思うくらい好きになった。(チョロい)
本買おうかな。